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「菱田春草展」☆
JUGEMテーマ:展覧会
竹橋の東京国立近代美術館では「菱田春草展」開催されています。



菱田春草(1874-1911)は近代日本画を代表する画家の一人です。
今展は生誕140年を記念して100展を超える作品が展示されています。
4章から成る構成です。
 
1章 日本画家へ:「考え」を描く 1890-1897
菱田春草は長野県飯田市の出身で東京美術学校を卒業しています。東京美術学校では岡倉天心(1862-1913)のもと、横山大観、下村観山らと共に次世代を担う日本画家として育てられました。天心の教えは“目に見える物をそのまま描くのではなく、作者の考えや心持ちを表現するのである。”というものでその後の春草の絵画観の軸となりました。
 
「水鏡」(1897)  東京藝術大学 


前期の展示です。 
美しい天女も歳をとると美貌が衰えてくる。色の変わる紫陽花を添えて水面を濁らせることによって、天女の衰装を表現した作品です。
 
2章 「朦朧体」へ:空気や光線を描く 1898-1902
岡倉天心が校長職を追われるという事件が起こり、春草は横山大観らと共に美校を辞職し、天心を中心とする日本美術院の創立に参加することとなりました。
この美術院を舞台にまったく新しい表現方法に挑戦します。
天心は春草や大観に“空気や光が描けないのかなぁ”と言い、これが始まりとなり色彩主体の絵画に変えていきました。
これまでの日本画は水墨の線と少しの色から成るものでした。春草たちは空気、陰影、光を入れていく技法、空刷毛を使った暈しの表現を行いました。色の暈しを重ねグラデーションを作っていき、ハイライトの部分は輪郭線を全て排除しました。これが「朦朧体」です。朦朧体は批評家たちには理解されず非難されました。
 
「菊慈童」(1900)  飯田市美術博物館


前期の展示です。
朦朧体初期の作品でオレンジと青の間が暈し重ねる技が使われ、色数を減らしています。
空のかすみ以外、全域から金が検出され、岩の丸みには銀泥が、木々の間には金粉がまいてあり、金泥、銀泥を積極的に使用しています。金色は聖性を持つ光に見られ、菊慈童が深淵な山奥に流されて、長寿を保つ仙人となった物語の主題から神聖な山の雰囲気を描いたのではないかと思われます。
同館、所蔵作品展には横山大観の「菊慈童」が展示されています。

「王昭君」(1902)  善寳寺  重要文化財


匈奴の王へ後宮から女性を差し出すにあたり、絵師に賄賂を贈らなかった為に醜い肖像画を描かれ敵国に嫁ぐこととなった王昭君の別れの場面が描かれています。
背景の上部には金、床には銀が検出され、パステル調の色相で華やかな画面を作り出しています。女性の肌はにごりのない層が薄く繊細で、頬の赤みもほんのり磁器のようで美しく、朦朧体の試みがみごとに結実した名作です。
 

3章 色彩研究へ:配色をくみたてる 1903-1908
一気に方向転換し、“色彩研究を邁進する”と1906年に文章で宣言しました。留学を重ね、各地で西洋絵画を見て回り、日本画をアピールしました。
 
「賢首菩薩」(1907)  東京国立近代美術館  重要文化財


賢首菩薩とは華厳宗第三祖となった人物のことで、則天武后の勅問に対し、金の獅子像を喩えに華厳の教えを述べた場面を描いています。
袈裟の部分は青とオレンジの補色が使われ、掛布は黄と紫の補色になっています。袈裟の点々は華美な刺し子模様に見立て全面に打っています。近くから見ると青の点々はキラキラと補色どうし引き立て合って鮮やかに見えます。遠くから見れば視覚混合で色が混ざり合いなんとなく穏やかに見えます。
 

4章 「落葉」、「黒き猫」へ:遠近を描く、描かない 1908-1911
病の小康を得て、1908年晩秋制作を再開した春草は、あっさり画風を転換しました。
春草は距離の表現に悩み、遠近法、空気遠近法の合理的な手段を画面に取り入れていくことに積極的になっていきました。
 

「落葉」(1909) 永青文庫  重要文化財

 

前期の展示です。

文展に出品し最高賞を受賞した最も美しい「落葉」です。枠を越えて永遠に広がる静室な空間が感じられます。遠くの木はうすく描き、根元を上にあげ、俯瞰したために地平線がわからなくなっています。落葉を描くことにより前後関係を表し、奥行きを生み出しています。

 

「黒き猫」(1910) 永青文庫  重要文化財

 

墨の暈しのみで表現し、輪郭も毛描きもありません。ふわふわの毛を撫でてみたくなる衝動に駆られます。背景表現は行われていません。柏の葉は金泥と緑青で描かれ、光を反射し輝いて見えます。写実的な猫と装飾的な柏の葉が絶妙に融合した傑作です。

 

春草は琳派、平面構成、稀有な作家集団からの作品に触れて研究をすすめ、晩年、尾形光琳のような遠近法、空気遠近法に頼らない平面構成に成功しています。

絶筆は「早春」(1911)、軸物では「梅に雀」(1911)とされています。

 

会期は113(月・祝)までです。

名作の数々をお見逃しなく!


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